ゴブログ

好きなカルチャーとか.

RATM再結成によせて

ついにきました。

ミクスチャーの王が、その玉座を奪い返しに。

 

 

www.youtube.com

Rage Against The Machine - Bulls On Parade

 

こんにちは。

まあもうこのバンド知らない人はいないと思うけど一応適当に説明すると、アメリカはLA産、90年代から00年初期にかけて強烈なメッセージを発信し続け、世界中で暴れ散らかした伝説的なバンドです。

解散後、メンバーはそれぞれ別のバンドをしたりプロジェクト組んだりしてたけど、2019年、ザックとティムが仲直りしたようで、今やってるバンドがいまいちハネないようで、金が無くなったようで、ついに再々々結成。以前も再結成したりしてたけど、地球の裏側ブラジルでライブやってたからあんまりリアルじゃ無かったんだよね。今回は世界ツアーも発表されました。あとしれっとProphets Of Rageは活動休止。こないだ新曲出したのに…

 

 

また昔話をしよう。

彼らとのファーストインプレッションは、中学三年の時に聴いたBulls On Paradeだった。

学校の同じ学年の奴らは基本的に殆どみんな邦楽ヒットチャートと日本語ラップしか聴いてなかったんだけど、普段ツルんでた中に洋楽好きな奴らが数名いて『なあゴブリン、バンプオブチキンもいいけどさ、海外のバンドもめっちゃかっこいいぜ』と色々紹介してくれた。今考えると恵まれてるな。まあバンプも彼らから教えて貰ったんだけどね。

そんな彼らにイヤフォンを借りて、偉大なバンド達の超有名曲、The Hell SongとかCreepとかを聴かせて貰ったりしてたんだけど、その中で特に衝撃を受けたバンドがこいつらでした。

 

『俺はこのバンドが大好きでさあ』と始めるクラスメイト。 

『こいつらはさアメリカのバンドなんだけど、政治問題とか社会問題を題材にラップしててさ、生き様から何からめっちゃかっこいいんだよ。ウォール街でゲリラライブしてそこでPV(まだこの時代はPVって言ってた)撮って、監督もメンバーも全員逮捕されたりしてんの。1stアルバムなんか焼身自殺してる僧侶の写真がジャケットに使われてるんだよ!』

 

www.youtube.com

Rage Against The Machine - Sleep Now In The Fire

 

まあもうこんな事言われて気にならない男子はいないはずなく、ワクワクしながらイヤフォンを挿した。

その頃はビートルズとかクイーンとかジャニスとかの超有名どころを除き、世界の音楽なんていいとこ藤くんとゴッチのラジオ対談で話してたウィーザーとかクーラシェイカーくらいしか知らなかった。バンプの密録音源をネットで闇取引してた当時14歳のぼくには、あのMP3から流れてくる音楽は衝撃だった。

ガチガチのユニゾンリフ、どうやって鳴らしてるか全くわからないギターソロの音、クソ重いバスドラム、怒り狂って金切り声で怒鳴り散らしてるボーカルのラップ。その全てで殴りかかってくるような勢いで、イヤフォンつけながら「な、なにこれ!すごい!すごいよ!これすごい!」ときゃあきゃあ騒いで、その友達がニヤニヤしてたのをよく覚えている。「海外にはこんなにかっこいい感じの奴らがいるのか!」と。その年にそいつらにサマソニに連れてって貰って、そこからはもうどっぷり洋楽の沼。わかりやすいね。

その後に知ったMUSEのマシューがトムモレロを崇拝してたりすることもあって、RATMは大好きなバンドの一つになった。他にも大好きなものが沢山あったから一番好きなバンドでは無かったのかもしれないけど、入った大学の軽音サークルで暫くの間流行ったりしてみんなでコピーしたり。楽しかったな。

YouTube

 

 

 

RATMをギターでコピーしたら分かると思うんだけど、とにかくフレーズは難しくないんです。基本的にはパワーコードだし、速弾きのソロも指3本でハンマリングプリング繰り返すレガートばかりだから、慣れたら割とすぐ弾ける。

でも、音色の制御が難しい。digitechの初代ワーミーとかibanezフランジャー集めるとこから始まり、演奏中のスイッチ踏み替えにめちゃくちゃ気を遣う。切り替える為にエフェクター2つを同時に踏むなんて当たり前で、3つ踏み替えて一緒にシールド引っこ抜いて手に当ててワウ踏む、みたいな。こんなややこしいことをトムモレロはライブであんなに暴れながらさらりとやってのけるからすごい。上のSNITFも敢えてギターをハウリングさせてあの音を出してるけど、実際フィードバックノイズのピッチ制御とかクソ難しいです。これがハーバードを首席で卒業してる賜物でしょうか。コピーする時にエフェクター踏み替えの練習をしたのはRATMとZazen Boysだけ。

 

その国のカルチャーってのは、その国に住んでないとピンとこないものや、理解できないものが多々ある。映画だとTedシリーズとか、日本人が観ても「なにこれ」ってやつ多くなかったですか。そして本国の人にしか理解が難しかったり真意を汲み取りづらいものは、音楽にも多くある。

ザックの歌詞もそうだ。ぼくらがアメリカという国に抱くイメージと、アメリカ国民が自国に対して持っているイメージは全く異なる筈だ。これは決して悪い事ではなくて、住んでいる国が違うのだから当たり前のこと。単なる違いだ。

有色肌のアメリカ人が、自国の先住民族ネイティブ・アメリカン虐殺の歴史にどれほどの嫌悪感を持っていたか。国防総省ペンタゴンのことをFistagon(FistとPentagonをくっ付けた造語)と揶揄し、"やりたい放題の暴力を他国に押し付けている"と糾弾し(勿論RATMの活動時期はイラク戦争や9.11.アメリ同時多発テロを引き金としたアフガン紛争よりずっと前だ)どれほどの不満を持っていたか。それは他国の人間には歌詞を訳したところで到底推し量れるものではない。

しかしそれでも、国を超えて、言語を超えて、伝わってくるメッセージが彼の言動には確かにあった。

"権力の犬になるな、戦争なんてクソだ、政治家なんて全員クズだ。どうしようもないなら、俺らが、お前が、世界をぶっ壊すしかないんだ。"

日本でも、ブラジルでも、旧共産諸国でも、彼らは大きな支持を集め、バンドもそれに応えた。サウンドも勿論だが、世界中で支持された理由はバンドとして極左に振り切ったスタイル、トムモレロの思想、そして何よりザック・デ・ラ・ロッチャの歌詞による功績が大きいと思う。それはOne Day As A Lionでも、NINとのコラボでも、ソロアルバムでも変わらない。

これからのRATMの活動が楽しみです。一体何を見せてくれるんだろう。

 

 

前の記事のマイケミ然り、世界中でライブを待ち望まれてるバンドだと思います。ぼくもとにかくライブを見たい。

今でも後悔してるんだけど、最後の来日公演(確か2008年とか)は受験生だったのと金が無いのとで行けなかったんだよね。どーせ行こうが行くまいが受かるとこは変わらないんだから行けばよかった。もし将来子供ができたとしたら、音楽を犠牲にして勉強を取るな!とみっちり教育しないと。

 

来年のフジロック来ないかな。

他の2日間はまずはストロークスと、若手への入れ替えという事でビリー・アイリッシュ、もしくはタイラーザクリエイターあたりはどうですか、SMASH様?RATM/ストロークス/Daft Punkで組んでくれたらチケット代10万でも行きますよ!